肺炎を予防する! 肺炎球菌ワクチンとは?~目利きのツボ~

2014年03月03日 02時20分

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2014年秋からは無料か低負担で接種が受けられる

肺炎球菌ワクチンが推奨されるのは、喘息、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病などの慢性疾患があって肺炎になると重症化しやすい人たちと、65歳以上の高齢者です。ワクチンは内科のあるほとんどの医療機関で、季節を問わずに接種できます。1度接種すれば効果は5年程度持続します。

接種費用は、1回あたり6,000円~8,000円程度です。保険がきかないため費用は医療機関によって異なりますが、自治体によっては高齢者を対象にした肺炎球菌ワクチン接種の公費助成制度が利用できます。例えば東京都千代田区のケースでは、65歳以上の人が指定医療機関で接種すれば自己負担は4,000円で済みます。また、予防接種法の改正により、2014年秋からは65歳以上の人は、どこの市区町村でも無料か低負担で接種ができるようになる予定もあります。現時点で公費助成制度がない地域に住んでいる人は、この秋の定期接種化を待ってもいいかもしれません。

肺炎の予防には、手洗い、うがい、規則正しい生活といった一般的な感染症対策も重要です。また、高齢者の場合、歯周病菌などが唾液や食べ物と一緒に肺に入って誤嚥性肺炎を起こすリスクが高くなります。誤嚥性肺炎を予防するためには、むし歯や歯周病を治療し、口の中を清潔に保って舌や唾液を出す粘膜の機能を維持する口腔ケアが欠かせません。65歳以上の方が身近にいる人は、肺炎球菌ワクチンの接種と口腔ケアをすすめてあげてください。


PROFILE

福島 安紀(Fukushima Aki)
1967年生まれ、岩手県盛岡市育ち。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う医療ライター。立教大学法学部卒業後、医療系出版社勤務、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。著書に『病院がまるごとやさしくわかる本』、『病気でムダなお金を使わない本』など。現在は、日経ヘルス、毎日新聞、プレジデントなどに執筆中。

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